ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

歌舞伎

十二月大歌舞伎 赤い陣羽織

演出:坂東玉三郎とにかくこの演出力の高さに感服した一幕でした。農民(おやじ)が自分とそっくりなお代官と入れ替わるという喜劇です。戦後、昭和に生まれた作品ですから、わかりやすい面白い作品です。役名がそのままおやじです。お代官の部下はこぶんで…

十二月大歌舞伎 本朝廿四孝

やはり祝日の歌舞伎座は大賑わい。ということで、昼の部を見に行ってきました。本朝廿四孝の四段目『十種香』です。身分を隠し花作り蓑作として生きる武田勝頼、武田勝頼の許嫁の八重垣姫、武田勝頼の身代わりとして死んでいった偽勝頼の恋人の濡衣の、それ…

十二月大歌舞伎 妹背山婦女庭訓

ちょっと前に久々に歌舞伎座へ行きました。もしかして歌舞伎座は8月以来?間空いたな~…夜の部の妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)を見てきました。杉酒屋・道行恋苧環・三笠山御殿の三本立てです。内容をざっくりとかいつまむと…お隣に引っ越して…

スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース

スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』を見てきたのです。 「ワンピースが歌舞伎ぃ?」「歌舞伎大好きだけど怖いなぁ」「涙腺崩壊者を続出させた頂上戦争じゃん!」とウキウキと不安半々、いや不安の方がちょっと多目で臨んだのですが… そんな気苦労バカらしくなる…

赤坂大歌舞伎 2015

赤坂大歌舞伎に初めて行ってきました。 個人的に赤坂は結構馴染みがある街ですが、TBSのお膝元、ビルに見下ろされた近代的な劇場でで歌舞伎が見れるとは。 でも、ACTシアターの周りはのぼりが立ち、江戸の職人さんがお店を出していたり、そこだけ時代が交差…

シネマ歌舞伎 大江戸りびんぐでっど

月に一週間、映画館で歌舞伎を楽しめる月イチ歌舞伎。 今月の大江戸りびんぐでっどを見に行ってきました。 【2009年12月上演作品】 前歌舞伎座のさよなら公演で、宮藤官九郎さんを招いての新作歌舞伎。 当時、自分は泣く泣く見に行くことができずずっと心残…

八月納涼歌舞伎 祇園恋づくし

八月納涼歌舞伎の一日の締めにふさわしい納涼感のある作品でした。簡単に内容をまとめると。京都に遊びに来たものの馴染めずホームシックにかかった江戸人と、それを泊めていた京都人の周りで起こる恋騒動。わかりやすく遠慮なく笑える作品でございます。【…

八月納涼歌舞伎 芋堀長者

昨年亡くなられた十世三津五郎さんが生前に復活された舞踊劇。 日本一の踊り手を婿にとるよというお姫さんの婿選びの席のお話。 最初全く踊りが踊れない男の代わりに踊れる友人が面をつけて踊るのですが、姫さんに面外してと言われしょうがなく踊るも踊れる…

八月納涼歌舞伎 京人形

短いお話ですが、とっても綺麗で面白い作品です。【えっ、京人形は!?】左甚五郎は彫工の名人で、廓で惚れた太夫そっくりの人形を彫ります。すると、なんとあまりの思いの強さに、人形に魂が宿って踊り始めます。人形と一緒に踊ってうっきうきな甚五郎。踊り…

八月納涼歌舞伎 逆櫓

第二部です。まず『逆櫓』です。ひらがな盛衰記というお話の一場面で、通称:逆櫓と呼ばれている場面。源平合戦の一場面のお話。【あらすじ】主な登場人物は、松右衛門とおよしさん夫婦、そしておよしさんのお父さん権四郎さん。およしさんには前の夫との間…

八月納涼歌舞伎 棒しばり

【懐かしの棒しばり】前回見たのは一昨年の納涼歌舞伎ででした。三津五郎さんと勘九郎さんと彌十郎さんの棒しばり。勘三郎さんを偲んでの組み合わせでした。今回は、勘九郎さんと、三津五郎さんの息子・巳之助さんと彌十郎さんの棒しばりです。お父さん方の…

八月納涼歌舞伎 おちくぼ物語

八月は納涼歌舞伎の時期ですね。 いつも二部制で組まれてる演目ですが、納涼歌舞伎は三部制で組まれています。 短いし、気軽に楽しめます。 一部の一本目は『おちくぼ物語』です。 日本版シンデレラとして有名なお話。 継母と義理の姉妹たちにいじめられる姫…

歌舞伎NEXT 阿弖流為 二回目!

(ネタバレ極力少なめに行きます!)胃腸炎からの夏風邪さんのスライド登板でヒーヒー言ってた一週間。鼻の粘膜グズグズではあるものの大方体調が戻りつつあるため、チケットを取ってあった『阿弖流為』を見に行ってきました。一等16500円を無駄には出来ない…

七月大歌舞伎 牡丹燈籠

先日、七月大歌舞伎の夜の部『通し狂言 牡丹燈籠』を見に行ってきました。 中車さんと玉三郎さん演じる夫婦の欲によってあの世に引き込まれる怪談話。 有名な落語です。 演出を玉三郎さん自身が手掛けます。 【名プロデューサー坂東玉三郎】 中車さんの魅力…

歌舞伎NEXT 阿弖流為

新橋演舞場で公演中のアテルイを見てきた。 昨日幕が開け2日目、3公演目。 歌舞伎NEXTと銘打った今回のプロジェクトは、劇団☆新感線とのタッグによって生まれました。 元は新感線で上演されたものを、今回歌舞伎にしたのです。 もっと元を辿れば、染五郎さん…

シネマ歌舞伎 三人吉三

コクーン歌舞伎『三人吉三』を映像化し編集し直した今作。 ちょっとずつカットしたことにより、長丁場だった舞台が約二時間半に収まりました。 短くなったことにより分かりやすくなった部分あり、物足りないと感じる部分もあり。 勘九郎さんの立ち回りとかも…

新緑特別公演2015

文京シビックホールで行われた『中村勘九郎・中村七之助 新緑特別公演』に行って来たです! 中村屋の若手の華やかな発表の場に今回はゲストとして坂東新悟丈が参加。 まずは『芸談』。 スーツに身を包んだ勘九郎さん・七之助さん・新悟さんが登壇し語ります…

四月大歌舞伎 河庄

妻子ある治兵衛さんが恋仲の遊女の小春ちゃんと、どうせこの世で一緒になれないなら心中しようとします。 しかし小春ちゃんは嫌いになったから心中は嫌だと治兵衛の兄に打ち明け、それを聞いていた治兵衛激怒。 しかし本当は、小春ちゃんは治兵衛さんの奥さ…

四月大歌舞伎 成駒屋歌舞伎賑

久々の歌舞伎。 離れてわかる自分ってこんなに歌舞伎を欲してたんだという乾き。 内容は「木挽町にあの鴈治郎さんが来なさった!めでたいめでたい!」みたいな感じ。 鴈治郎さんの襲名のお祝いに豪華な面々が勢揃い。 そりゃ花道も二本に増えるわ! 大御所の…

神田de歌舞伎 -そうだ、歌舞伎に行こう!-

私の中でほぼ毎月恒例になってきました、神田de歌舞伎に行ってきました。先月は行けなかったのでその分楽しんできましたよ。歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎さんと歌舞伎ライターの関亜弓さんが歌舞伎をわかりやすく教えてくれるこのイベント。今回は三月に歌…

二月大歌舞伎 積恋雪関扉

そうそう。2/12の昼公演で、歌舞伎座新開場して来場者数が2,222,222名を達成したそうです。たまたま行った日が記念日になるなんて!記念品にハンカチをもらいました。一幕見の客にもくれるなんてありがたや。『積恋雪関扉』のあらすじ…良峯少将宗貞は逢坂の…

二月大歌舞伎 毛谷村

けたにむらじゃないよ。 けやむらだよ。 というわけで、ここ最近心と身体が地に足ついていなかったため、歌舞伎に行って参りました。 歌舞伎を見ると自分のいるべき場所がわかるというか、役者さんたちの舞台にどっしり根を這っている力強さを見るとこれが「…

寿初春大歌舞伎 一本刀土俵入

昼の部最後は『一本刀土俵入』です。これがまたいい話!あらすじ。場所は常陸の国。相撲取りの駒形茂兵衛は相撲の筋がないと親方にも見放され、一文無しで空腹でふらふら。そこで喧嘩を発見、その場を収めた茂兵衛に、その身の上を聞いたお蔦は手持ちの金子…

寿初春大歌舞伎 蜘蛛の拍子舞

昼の部、続いては『蜘蛛の拍子舞』です。あらすじ。荒れ果てた空御所に物の怪が出るとの噂を聞き、部下の渡辺綱たちとやってきた源頼光。しかし、そこで病気になってしまいます。そこに突然現れたのは美しい白拍子妻菊。妻菊は病に伏せる頼光のために踊りま…

寿初春大歌舞伎 金閣寺

また歌舞伎座へ行ってきました。今度は昼の部です。昼の部は『金閣寺』からスタート。祇園祭礼信仰記というお話の一場面らしいのですが、多分丸々お話知らなくても大丈夫です(金閣寺以外上演されることないから)。あらすじ。金閣寺に悪い奴・松永大膳が弟…

寿初春大歌舞伎 黒塚

初春大歌舞伎夜の部最後は猿翁十種の内『黒塚』でした。あらすじ。奥州安達原にやってきた阿闍梨一行。そこで出会った老婆の正体は実は鬼女だった!それだけ?はい、それだけです。簡単でしょ?予備知識はこれで十分です。あとは猿之助さんの演技に身をゆだ…

寿初春大歌舞伎 女暫

初春大歌舞伎の夜の部二幕目は『女暫』です。歌舞伎十八番『暫』のただただ女版という遊び心あふれた作品。歌舞伎を知らない人も様式美を楽しめ、歌舞伎を知っていれば尚楽しめる作品です。あらすじ。範頼が天下とるぞーガッハッハと宴をしているとき、部下の義…

壽初春大歌舞伎 番町皿屋敷

年の始めに歌舞伎座に出向いて参りました。 1月2日。 まぎれもなく新年一発目の歌舞伎でございます。 夜の部はまず『番町皿屋敷』から。 「いちまーい、にーまい…………一枚たりなーい」のあの皿屋敷と土台は同じですが、こちらは悲しい恋愛模様が描かれていま…

南座吉例顔見世興行 仮名手本忠臣蔵・お祭り・鳥辺山心中

時間がないので、三本まとめて感想を書かせていただきます。顔見世歌舞伎は歌舞伎の公演でもとっても大切な公演。東西合同大歌舞伎ということで、京都南座に東西の名優が揃いました。今回初めて南座で歌舞伎を見て思ったこと。「近い!」むっちゃ近い。本当…

南座吉例顔見世興行 爪王

京都の南座にまで歌舞伎を見に行くとは思っていませんでした。 そこまで私を動かしたのは『爪王』 爪王は新しい作品で、歌舞伎で一番始めに上演されたのは平成22年。 勘太郎丈(現・勘九郎)と七之助丈によってです。 その前に波乃久里子さんと真帆志ぶきに…