ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

シネマ歌舞伎 三人吉三

コクーン歌舞伎三人吉三』を映像化し編集し直した今作。
ちょっとずつカットしたことにより、長丁場だった舞台が約二時間半に収まりました。

短くなったことにより分かりやすくなった部分あり、物足りないと感じる部分もあり。
勘九郎さんの立ち回りとかもっと見たかったとも思うけど…
感じ方は舞台を見ていたかどうかでも変わってくるとは思うのですが、でも個人的には満足でございます。

なによりコクーン歌舞伎ってシネマ化に向いているなと!

今回は芝居を作るにあたって現代演劇的アプローチを色濃く進めていったそうなのですが、アップで表情の一つ一つを見ているとそこらへんがよく映えているような気がします。
今回、型を壊すといった表現ではなく、型を緩めるっていった表現の方が合っていたと思うけど、だからかいつもの歌舞伎より表情が豊か。
つい歌舞伎って型に目が行ってしまうけど、当たり前だけど心情があってこそなのよね…
それに歌舞伎を映像で見ると少し型に距離を感じちゃうことがあるけど、現代要素も強いからすんなり入ってきます。
なにより綺麗だし!

あと、舞台を映像化というと劇場への招待的な「劇場の雰囲気を画面から」というのがあると思うのですが、今回は舞台の雰囲気も残しつつ、ちゃんと映像作品になってます。
編集にもかなり力を入れていることがわかります。
アングル一つにとっても本当に映画を見ている気分です。

そしてエンドロールの「脚本 河竹黙阿弥」のすごさ。
あまりに違和感なく見れてるけど、このお話、幕末に書かれたものなのよね…
表現が安くて申し訳ないんですが、すごいナウい作品だわ。
河竹黙阿弥という名前自体がが現代人の名前と並んでてもっこよくナウく感じます。
構成作家 河竹黙阿弥」とかいそうだもん。


とにかく表情が良かった!ってのが一番かな。
役者の細かい表情なんて最前列付近じゃないと見れないからね。
きっと周りの歌舞伎を知らない友達を連れていっても楽しい作品です。




~どうでもいいメモ~
さすがにお客さんの年齢層は高め。
多分私が一番最年少だった。