ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

南座吉例顔見世興行 爪王

京都の南座にまで歌舞伎を見に行くとは思っていませんでした。

そこまで私を動かしたのは『爪王』

爪王は新しい作品で、歌舞伎で一番始めに上演されたのは平成22年。
勘太郎丈(現・勘九郎)と七之助丈によってです。
その前に波乃久里子さんと真帆志ぶきによって上演されていますが、歌舞伎作品としての初演は平成22年の歌舞伎座公演。

それを当時引きこもりで友達もいなかった(今もとか言うな)私は歌舞伎座で直に目にしたわけです。
当時の自分はまだ歌舞伎にそこまでのめり込んでいませんでした。
「あれ?自分、歌舞伎好きなんじゃない?」って自覚してきたレベル。

そんな私の目に飛び込んできたのは、踊り、肉体、衣装、舞台セット…全てが想像を越えた圧倒的な美でした。


私を歌舞伎にのめり込ませた作品を三つあげるとすれば『俊寛』『連獅子』『爪王』の三つです。



というわけで、まずは爪王の中身をご紹介。

鷹匠の家に吹雪という鷹がいました。
ある日、悪い狐を退治してくれとの依頼が来たので吹雪ちゃんは狐退治に。
鷹vs狐は狐の勝ち。
吹雪ちゃんは深傷を負いますが鷹匠のおかげで元気になり、狐と再戦。
結果は見事勝利!


っていう、簡単なお話です。

鷹…中村七之助
狐…中村勘九郎

と四年前と同じお二人が演じます。




そんなお二人の爪王は今回どんな爪王になるのか。
私のなかでは前回が圧倒的な印象が残っているので、とてもハードルが上がっています。


「あれ?こんなもん?」とか思っちゃう可能性もあり…



しかし、今回の爪王は歴史を塗り替えてくれました。
思い出補正も入った過去を越えるなんてそうそうできませんよ。

中村屋兄弟は、今が一番面白い!」ってことがよくわかりました。
こうやって今が一番面白いが積み重なっていくんでしょうね。

自分昼の部は見ていませんが、恐らく南座の顔見世で爪王が一番盛り上がったんじゃないかな?
隣に座っていたちょっと辛口の面白いお兄ちゃん二人組も絶賛してたし、終演後はお客様から七之助さんへの称賛の声が数多く聞こえました。
玉三郎越えたんじゃない!?」って声まで((( ;゚Д゚)))


さてさて以下↓若干気持ち悪いゾーンに入ります。



もうね、七之助さんが可愛い!
綺麗!
よだれもん!
一家に一羽、吹雪ちゃん!
もう顔と身体がスラッとしてるから本当に鷹のよう。
踊りもよく練られていて、仕草も本当に鷹!
で、愛らしい。
表情とか、もう惚れるわ!

で、それに対抗するのが狐の勘九郎さん。
身体能力の高さが遺憾なく発揮される踊りです。
かっこいい!
本当にかっこいい!
前回に比べて色気も出てきた!

こんな二人の戦いは獣の戦いでありながら、男女の戦いのようにも見えます。
もうニヤニヤです。
この二人が兄弟として生まれたっていうのは奇跡じゃないでしょうか?

勘九郎さんがすごい体勢で袖に飛び込んでいったり、七之助さんが奈落に身を投げる演出があったり、すっぽんも使うわ、衣装に仕掛けもあるわ…
囃子も少し現代っぽい?感じがして、サントラで発売してほしいぐらい!
あのリズム大好きです( *//`ω´//)
見ても聞いても楽しい舞台。
雪の中で戦う二人は圧倒的美しさ。



あー、もう最高!!


京都に来て良かった!
三万円以上したけど!




顔見世は残りあと三日ぐらいなので、見に行ってくださいとは言いにくい。
ただ、次回上演される際には是非見に行ってください!
(好評だから、きっと近いうちに松竹さんがやってくれるはず…)
この爪王は裏切りません!




~どうでもいいメモ~

狐討伐の依頼にくる庄屋役の国夫くんが体調不良で休演。
顔見世に貴重な若手枠だったのに…としょんぼりしてたらまさかの代役に橋之助パパが!
豪華!Σ(*゚д゚*)
若手枠・壱太郎さんも休演で、若手の間でインフルか何かが蔓延してるっぽいです。
壱太郎さんとか藤十郎さんとめちゃくちゃ距離近い演目あるから気をつけて!
ご高齢の方にインフルとかダメダメ!