ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

歌舞伎NEXT 阿弖流為 二回目!

(ネタバレ極力少なめに行きます!)

腸炎からの夏風邪さんのスライド登板でヒーヒー言ってた一週間。
鼻の粘膜グズグズではあるものの大方体調が戻りつつあるため、チケットを取ってあった『阿弖流為』を見に行ってきました。
一等16500円を無駄には出来ない!(*゚▽゚*)

幕が明けてから結構すぐに、序盤の方に一回見に行きました『阿弖流為』。
前回終演直後から「絶対もう一回見に行こう」と決めておりました。

【花道が!花道が見えるよ父さん!】
とは言いつつ、「もう一回」というのはお財布と相談しなければなりません。
納涼も赤坂もワンピースも見に行かなければならない懐事情。
それでも自分の本能に従いました…
結果、我人生初一等席でございます(それも贅沢もとちり席)。
元が取れるのかとか心配してましたが、終演後は「我人生に一片の悔いなし」でした。
前回の感想にも書きましたが、この舞台花道が超多用されます。
舞台構成の半分は花道が使われてるのでは?
ということから見ても一等で見れて良かったと心の底から思いました。
そして近いよぉ!
アップで見ても皆さん男前!
素敵です!

【上手からよく見える功労者】
個人的に一階に降りてみて、ものすごい目に入ったのがツケ打ちさんです。
この舞台、惜しげもなくツケをたくさん打っているので、序盤なんかとくに役者さんよりもツケ打ちさんに目が行くという…
途中から「誰か!彼に十分な休息を!」と心で叫びながら、ツケ打ちさんに湿布とかプレゼントしたくなっちゃった。
カーテンコールの際、上手側でこっそり列に加わってたのを発見し、とにかくめっちゃ拍手させていただきました。

【一回目との違い】
前回見た時「十分出来上がってるけど、絶対にこれ、回を重ねるごとにどんどん面白くなるだろうな」とは思っていたのですが、思ったとおりでした。
いたるところでパワーアップしてました。
まず、音との合わせ。
今回剣を振るう時、ブンブン効果音がつくのですが、それがかなり見ていて気持ちがいいです。
前回を経て自分がブンブン音に慣れただけかもしれませんが、でもやっぱり完全に違和感がなくなったというか、音はめの技術が半端ないものになってます。
その他の現代的効果音についても役者の呼吸とばっちり合っていて気持ちがよかったです。
またちょこっとギャグも増えて、ギャグのキレもアップしておりました。
なにより自由度が増したのか役者さんたちが楽しんでやられてるのが印象的でした。

【一度見ているからこそ】
一度見ているので、「こいつが悪い奴だ!」とか知ってるわけです。
そこから改めて見る阿弖流為はとても面白かったです。
裏台詞といいますか、台詞の真の意味みたいなものがゾクゾクしました。
もうあのおっちゃんの悪いこと悪いこと!
そんな中、とくに立烏帽子のキャラクターの味わい方が一回目と二回目でかなり違う風に楽しめました。
前回初見の時は「ヒロインっぽくないし、見ていてずいぶんとモヤモヤするなぁ」といった印象でしたが、今回は「そうなの!そうなのよね!」と立烏帽子にも入り込んでみれました。
なので立烏帽子の終盤も、今回は丁寧に内容を把握できました。

【ラストシーンのアテルイ
とはいっても立烏帽子のキャラクターが理解できても、まだ解けない謎もあります。
エンディングです。
アテルイの横にたたずむのが一体誰なのかが気になります。
アテルイが誰の元へ行ったのか…
それが誰だったとしても結構切ない終わり方だと思うんです。
…うーん、続きは劇場で!
とにかく!
人間の女に愛され、戦場で刃を交えた男に愛され、神にも愛され、どちらにしろアテルイモテモテやん!

【やっぱり田村麻呂が好き】
わかっちゃいたけど、やっぱり田村麻呂が好きです。
序盤「逃がすかよ」の言い方にキュンボタン連打です。
そして終盤の覚悟を決めるシーンでやっぱり泣いた。
これは見れば見るほど田村麻呂の成長物語ですわ。
アテルイという英雄に出会った田村麻呂の物語です。
勘九郎さんが田村麻呂でよかった。
あの驚異的な身体の柔らかさ、重心の低さ含め勘九郎さんが田村麻呂でよかった。

【リラックスカーテンコール】
カーテンコールの時に音楽に合わせて、染五郎さんと七之助さんがダンスをしてました。
ステップを踏んでいたというか。
それが最高に可愛かったです。




~どうでもいいメモ~
間近で見る萬次郎さんがすごすぎて、八墓村とか横溝作品で老婆役をやってほしいと思いました。