ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

四月大歌舞伎 河庄

妻子ある治兵衛さんが恋仲の遊女の小春ちゃんと、どうせこの世で一緒になれないなら心中しようとします。
しかし小春ちゃんは嫌いになったから心中は嫌だと治兵衛の兄に打ち明け、それを聞いていた治兵衛激怒。
しかし本当は、小春ちゃんは治兵衛さんの奥さんから頼むから治兵衛さんの為にも手を引いてくれという手紙をもらっており、泣く泣く治兵衛さんと別れる決意をしたのです。

というお話。


The上方といった舞台でした。
こっちの歌舞伎では聞きなれない大阪弁が新鮮。
軽妙な語り口・掛け合いが、コロコロ鳴る鈴のようでした。

治兵衛さんの表情もコロコロ変わります。
滑稽な部分から一瞬で哀愁ある表情にパパッと変わったり、その逆も然り。
その切り替えがお見事で、舞台を飽きずに見ることができます。
滑稽な場面はコントを見ているようでした。
うん、コントの先祖なのかも。


鴈治郎さんを見てると「上方生まれの上方育ち、生粋の上方っ子だい」というのが伝わってきます。
こっちの役者さんとは明らかに違う何かがあります。
その何かが上手く言葉にできないけど、違いますね。
軽妙・愛嬌・色気のバランスがとても綺麗で、肩の力を抜いて見れる心地いい役者さんでした。

あと、壱太郎さんもお上手でした。
染五郎さんと軽快なやりとりを見せてくれる役だったのですが、一番後ろの幕見席から見ていたこともあり、最初壱太郎さんとは気づかなかったです。
もっと年上の役者さんかと思ってたら壱太郎さんでびっくりしました。



~どうでもいいメモ~
染五郎さんの歌が上手いのは血筋でしょうか。