ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

新緑特別公演2015

文京シビックホールで行われた『中村勘九郎中村七之助 新緑特別公演』に行って来たです!
中村屋の若手の華やかな発表の場に今回はゲストとして坂東新悟丈が参加。

まずは『芸談』。
スーツに身を包んだ勘九郎さん・七之助さん・新悟さんが登壇し語ります。
新悟丈がゲストとして呼び込まれ真面目にご挨拶。
歌舞伎ラボやブログなどでちょっとおかしな人=新悟丈というイメージが強い自分としては「おやおや?いい子ちゃんになってんのか?」と思いましたが、すぐにイメージ通りの新悟丈になりました。
東京ドームに敵対心を持つヤクルトファンをアピールしたり…
先輩の前でもこんな感じなんだね。
まぁ勘九郎さんにつっこまれる新悟丈なんて普通歌舞伎に行っても見れないわけですよ。
なんか嬉しかったですねー。
あと挨拶で「歌舞伎の楽しさを伝えたい」と言ってくれて、新悟丈の芯のブレなさを感じて嬉しかった。
新緑公演は今回で十一年目。
舞踊で構成される新緑公演で今回台詞ものをやるのはファンの皆さんの意見が多かったからだって。
七之助さんが今後も皆さんの意見を取り入れていくと言っていました。
あと質問では野崎村の大根の切り方なんかを教えてくださりましたよ。
そして最後の最後に新悟丈ズボンのチャック開けっぱし騒動があり(さすが新悟丈)、賑やかにトークの場はお開きとなりました。

『女車引』
菅原伝授手習鑑の車引のパロディです。
松王丸・梅王丸・桜丸の女房三人が踊ります。
やっぱり当たり前ですけどお弟子さんも踊り上手いよね。
八重が鶴松丈だったんですが、改めて「若いんだなー」と実感。
踊りが若く、一人抜きん出て若い。
この年齢から逆算すると、勘三郎さんが部屋子とはいえいかに舞台を数多く踏ませてきたか、期待していたかがわかります。
今後に注目!

『仇ゆめ』
笑えて泣けるお話です。
ごく最近作られたお話なのでわかりやすい。
太夫に恋をした狸のお話。
お役がみんな可愛いという。
狸の勘九郎さん可愛いし、深雪太夫七之助さん可愛いし、踊りの師匠の新悟丈可愛いし、禿の鶴松丈可愛いし、亭主だって可愛いよ!
七之助さんが勘三郎さんから一番最後に習ったお役は深雪太夫らしいです。
それだけ思い入れのある作品・お役なんだとか。
狸の滑稽さ、太夫の舞い上がる様子などに最初は笑いました。
でも最後は、恋の実らぬ者同士、狸と太夫が心を通わせるのにはホロリ。
誰のせいでもないんだけどさ無情だよね。
分かりやすいし、面白いし、是非納涼歌舞伎なんかで歌舞伎座で見たい作品です。


月並みですが、本当に中村屋は楽しい。
真摯に楽しい。
派手に大輪を咲かせるような楽しさというよりも、真っ直ぐに地道に積み重ねたそばに寄り添う楽しさ。
中村屋が益々好きになりました。



~どうでもいいメモ~
女車引のお着物がとっても参考になる。
八重は可愛すぎて真似できないけど、春の着物好き。
お着物の参考にさせていただきます。