八月は納涼歌舞伎の時期ですね。
いつも二部制で組まれてる演目ですが、納涼歌舞伎は三部制で組まれています。
短いし、気軽に楽しめます。
一部の一本目は『おちくぼ物語』です。
日本版シンデレラとして有名なお話。
継母と義理の姉妹たちにいじめられる姫が少将と幸せになるお話。
【可愛らしい憎めない登場人物たち】
主役のおちくぼ姫は七之助丈。
ちなみに今月七之助さんは全役女形です。
安心安全の可愛さですが、この姫ただ可愛いだけじゃない。
徐々に明かされていく側面もあり、そこも魅力的です。
いじめる側ですが、義理の姉妹の三の君・四の君もかわいいです。
歌舞伎っぽくない喋り方というか、ほんとに「えーん」って泣きます!
おちくぼ姫に「それ、ちょーだいよ」とか言ったりするのが、歌舞伎より宝塚っぽい?
筋書き見たら澤村國久丈でした。
さすがです。
おちくぼ姫に唯一支える帯刀夫婦の巳之助丈・新悟丈もかわいい。
せっせとおちくぼ姫と左近少将の世話を焼きつつ、コロコロ表情が変わる良い夫婦です。
年近いし良いコンビの片鱗が見えます。
特に巳之助さんはお芝居の表情やテンポがむちゃくちゃ気持ちいい。
亀蔵さんのような何でも演じれるオールラウンダーになりそう。
おちくぼ姫のパパは、今の妻の手前姫を庇うことが出来ませんが、ほんとはすっごい気にかけてる人です。
良いパパかはわかりませんが、ゆったりした海のような人です。
彌十郎さんにぴったりです。
このパパなら許せる!
【こいつ…やばい!】
そんなキャラクターたちの中で、個人的にこの話の一番の問題人物はヒーローである左近少将な気がします。
隼人丈演じる少将はイケメンです。
イケメンですが、なんか違う!
天然なのか天然ぶってんのか…
ハッキリしてるのは、こいつ相当な手練れで遣り手だわ、ってこと。
いくら帯刀が良い人と保証しても正直「おちくぼ逃げてー」って思った(^^)/
結婚しても幸せになれない気がするのは自分だけ!?
最初はおちくぼ姫もあまり外を知らずに育ってるからいいとして、今後不安だよ…
絶対苦労する!(断言)
無自覚天然で策士で人ったらし…こういう人いるよねー!
この『おちくぼ物語』にキャッチコピーをつけるとしたら「和製ファンタジーにゲスっぽさを添えて」ってとこかしら。
ちょっとしたゲスっぽさが、日本の良き文化って感じですよね。
~どうでもいいメモ~
何度考えても、おちくぼ逃げてー!