ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

八月納涼歌舞伎 土蜘/廓噺山名屋浦里

三週連続で歌舞伎座に行ける幸せったらないですね。
てなわけで、納涼歌舞伎の第三部に行ってきました。

【土蜘】

十月には橋之助さんのところが家族そろって襲名公演。
ということは橋之助・国生・宗生・宜生の名前で見る舞台は最後か!
…なんだか感慨深いですよね。
橋之助さんは私の中ではずーっと橋之助さんだったから。
それもあってこの土蜘では、成駒屋同時襲名に花を添えるように成駒屋澤瀉屋中村屋萬屋…と納涼歌舞伎に参加する縁の深い皆様勢揃いです。

そんな面々の中で、勘九郎さんのところの次男坊・哲之くんが出てます。
まだまだ小さくて後見さんや児太郎丈に支えられての出演でしたけど、ちゃんと踊れているんですよ。
足の踏み方とか手振りとかちゃんとできています。
可愛いだけじゃなく役者ですね。
しかしその場面。
哲之くんも可愛かったんですけど、個人的に熱かったのは猿之助勘九郎・巳之助という名付けて『梨園身体能力バケモノ三人衆』が揃い踏みしたところでした!
あとやっぱり児太郎丈には是非もっともっと良い役がつくといいな(・∀・)つ
もったいない(・∀・)つ

橋之助さんの土蜘かっこいい。
歌舞伎役者として橋之助さんのお顔の大きさはすごい武器だと思うんです。
隈取も栄えますよね。
息子'sも頑張ってます。
国生丈とかここ2年ぐらいで一気に伸びた気がします。

そうそう忘れてはいけない。
この土蜘でも第二部の膝栗毛に続き、私は團子丈にMVPをあげたいです。
なんなんでしょうね、あの遠目に見ても堅実で地に足がついた佇まい。
まだ小学生でしょ?(((( ;゚д゚)))
太刀持ちのお役で前半出ずっぱりで台詞も見得もある重要なお役。
見事にこなしています。
多分私、5,10年後ぐらいには團子丈推しになってるかも(すでになってるか?

あと裏MVPは後見さんですね。
歌舞伎でクモ系の話の時は本当に後見さんの頑張りがよく見えます。
蜘蛛の糸の処理の鮮やかなこと。
おつかれさまです。


廓噺山名屋浦里】

鶴瓶さんの新作落語を基にした新作歌舞伎です。
落語が基ということでもっとこってりしたお話かなと勝手に思っていたのですが、あっさりした食感で胃もたれすることもなく楽しめたお話でした。
鶴瓶さんの息子さんの俳優の駿河太郎さんも出てます。
あのCMで鶴瓶さんと出汁を売っていた俳優さんです。
駿河太郎さんと扇雀さんというネイティブ関西弁が飛び交うのですが、正直自分は関西弁になれておらずヒアリングが難しかったっす。

勘九郎さん演じる武士のお固さが最初可愛らしいと思ったんですけどね、お話が進んで七之助さん演じる浦里に感情移入してくると一周回って女の敵に見えてくる(ノ`Д´)ノ
国に奥さんがいるから浦里のことは好きだけどでもその好きじゃなくて云々…って!
またそれを受け入れていい関係を続けていこうとする浦里いい子!
いい子すぎる!
だからこそ、これからの浦里を考えると切ない!
多分今後浦里に身請け話とか来たら、彼は心の底からめでたいと言えるんだろうな…

歌舞伎座からの帰りに聞いたお客さんの会話がこの物語を一番上手く表現していると思ったのでご紹介します↓

「結婚してなかったらよかったのにね」

うん。
これにつきるわ。



あと禿役の中村祥馬くんって子、よかったです。
扇雀さんのところの部屋子のようですね。
今後チェックだな。





~どうでもいいメモ~
玉三郎さんも勧めていたらしいですが、七之助さんは女方専任っていうのも本当にアリだと思うんだけどな。
七之助さんの立役がどうこうとかでなく、女方を極めて究極のところまで行ってほしいんだよな。