ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

猿若祭二月大歌舞伎 門出二人桃太郎/絵本太功記/梅ごよみ

桃太郎の幕見席の発売開始が14:00です。
私が着いたのが12:15頃。
なんと私で札止めになりました。
1時間半前で札止めです。
連日こんな感じで、桃太郎は毎日幕見完売らしいです。

【門出二人桃太郎】
「かどんでふたりももたろう」です。
「ににん」じゃないですよ。
会場の「温かい目」が尋常じゃなくってほっこりしました。
勘太郎さんと長三郎さんの一言一言に漏れる「かわいい」の声。
勘太郎丈は、見得が立派です。
初舞台でここまで綺麗に見得を切れる子はいないんじゃないでしょうか。
リズム感がいいのかな。
長三郎丈は、おじいちゃんの勘三郎さんを思い出すふっくら加減。
お兄ちゃんが愛さん似なのに対して、弟は輪郭とか中村屋DNAまんまです。
そしてその兄弟の後ろで、この世の終わりみたいな表情でいる勘九郎さんがすごかった。
是非皆さんにはオペラグラスで兄弟だけじゃなく、後ろのお父さんの顔も見てほしいです。
ほんとすごいから。
あと犬・猿・雉ね。
犬から醸し出される圧倒的Eテレ感。
猿から醸し出される圧倒的猿感。
雉から醸し出される圧倒的火の鳥感。

一見の価値ありです。

【絵本太功記】
これは個人的にはお唄がわからないと結構苦戦する演目です。
イヤホンガイドおすすめ作品。
タイトルからしてわかるように、羽柴秀吉明智光秀加藤清正織田信長の名ををもじった方々が出てきます。
芝翫さんを光秀に、魁春さん、錦之助さん、鴈治郎さん、孝太郎さん、秀太郎さんが出演。
芝翫さんの息子に鴈治郎さんだからね!
そんな年齢層高めの中に、ぽつんと橋之助さんが参加されています。
絶対緊張する面々ですよ、これ。
橋之助さんの声が好きです。
若々しさ満載で、見るたびにどんどん役者としてのキレ味が増していると思います。

【梅ごよみ】
上演記録を見ると、玉三郎さんと勘三郎(18)さんの黄金コンビで多く上演されている作品。
そんな後を継いだのが、菊之助さんと勘九郎さんです。
見た目的には100点満点の継承となっております。
芸者の菊之助さんと勘九郎さんが染五郎さんを取り合うという女の戦いが面白く描かれています(当の本人たちはいたって真面目だけど)。
凛々しく美しい菊之助さん。
気質が容姿が色んな意味で間違いない勘九郎さん。
また二人に挟まれる放蕩モンの染五郎さんが「高麗屋の王子気質」と言いますか…ぴったりなんですよね。
でも個人的には、染五郎さんの許嫁のお蝶ちゃんを演じた児太郎さんがGOOD過ぎて!
綺麗な容姿なんだけど可愛いんですよ。
可愛い子が可愛いお役をするのもいいんですが、綺麗タイプが可愛いお役にはまった時の破壊力たるや最強です。
児太郎丈に振ってくださった松竹さんありがとうございます。
最後の美味しいところはお蝶ちゃんが持っていくわけですが、芸者の二人が爽やかに最後を締めたのがよかったです。
ああいう気風の良さが芸者のカッコよさなんですよね。
というか、お蝶ちゃんみたいな性格もめっちゃかわいい子いたら、お姉さま方も笑顔で身を引けますわ。


そうそう。
絵本太功記では外から竹槍が飛んできたり、梅ごよみでは下駄が飛んできたり、夜の部はなんか飛んでくるね。


~どうでもいいメモ~
桃が流れてくるときの、圧倒的な桃が流れてくる感もよかった。