ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

八月納涼歌舞伎 東海道中膝栗毛/紅翫

第二部も見に行ってきました。
人気演目すぎて幕見席の待機列きつかった…
これから第二部を幕見席でご覧になる方、熱中症には気を付けてください。
でもまぁビックサイトに並ぶ猛者たちに比べたら楽なもんですけどね。

東海道中膝栗毛

御存知、弥次さん喜多さんです。
こりゃもう幕見席売れるのが早いわけだってぐらいの演出の嵐。
とりあえず宙乗り、噴水、怪談、廻り舞台、照明、時事ネタ、メガ幸子etc.…詰め込めるだけ詰めてあるので、正直お話に感動も何もない。
目が回るほどの、とにかく楽しいエンタメ空間でした。
間違いなくテンションははっちゃけた時の俳優祭(シンデレラ・ベルサイユのばらとか)です。
通常公演を俳優祭のテンションでやってるような感じで楽しい。

弥次さん喜多さんがラスベガスにまで行ってしまいます。
この演目でしか使えない大道具に衣装が見れて…本当に裏方さんお疲れ様です。
歌舞伎座で洋服、アラブ衣装、ワンピース、ディーラーetc.…が見れるとは思わんかった。
猿之助一座の皆様も、ワンピース歌舞伎での経験がとても生きておられるようで。
一人、めっちゃ足細くて女性らしい体つきの踊り子役のお弟子さんがいました。
どのお弟子さんだかわからないけど、いかついドラッグクイーンの中一人可愛かった(ピンク髪)。

弥次さん=染五郎さん、喜多さん=猿之助さんで、周りも猿之助一門の皆さんや新悟丈、獅童さんなど、バラエティ色をうまく表現できる面々が揃っています。
とにかく大人が真剣にわちゃわちゃしているのですが、個人的に今回の膝栗毛のMVPは市川團子くんです!

今回の膝栗毛では、梵太郎・政之助という幼い若君とお供が出てきます。
弥次さん喜多さんとお伊勢参りの道中一緒に旅をすることになる二人で、要所要所のとても重要なお役なのですが、それを演じるのが梵太郎=松本金太郎丈(染五郎さんのお子さん)、政之助=市川團子丈(中車さん=香川照之さんのお子さん)です。
二人とも超初々しく、可愛らしい若君とお供くんみたいな感じですが。
特に團子くんがすごい。
中でも台詞回しが天才的です。
台詞の端々から見える感情のうねりが濃い。
普通の子役と天才子役の差って台詞を聞くだけでわかりますけど、間違いなく團子丈は後者の方。
おそらくドラマとか舞台とか現代劇も出来るんじゃないだろうか?
声変りがこれからあるからまだわからないけど、現状の声も通るし聞きやすい。
恐ろしい子です。


【紅翫】

色々な演目を元ネタにした踊りが楽しめる舞踊です。
もっと唄がわかればもっと楽しめるんだろうな…と悔しくなります。
唄の勉強したいな…
団扇売りや虫売り、朝顔売りなど夏を感じられるお役が揃いますが、踊りは涼しげです。
前が弥次喜多というちょっとホットな舞台なので、尚涼し(´∀`)

また、今の納涼歌舞伎を築いた面々の息吹を感じる出演陣がいいですね。

橋之助さん、扇雀さん、彌十郎さんと、勘三郎さんや三津五郎さんと共に納涼歌舞伎を形にしてきた面々。
そして勘三郎さんのご子息である勘九郎さん、七之助さん。
三津五郎さんのご子息である巳之助さん。
今お休み中の福助さんのご子息、児太郎さん。
橋之助さんのご子息3人、国生丈、宗生丈、宜生丈。
最後に全員で踊るのですが、その時一列に並んでいる姿に愛しさと切なさと心強さを感じました。
派手さもなく30分もない短い踊りですが、納涼歌舞伎の歴史がぎゅっと詰まった、雰囲気がとってもいい一幕です。



~どうでもいいメモ~
弥次喜多の最後で、新悟丈と壱太郎丈がなんかわちゃわちゃしてて可愛かった。