ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

本を送る

先日TBSラジオ爆笑問題の日曜サンデー』に、ゲストとして直木賞作家の西加奈子さんが出演していた。
西さんはこのラジオに出演するに当たり、爆問の太田さんが書いた『文明の子』を読み(マボロシの鳥は以前読んでいた)、そして太田さんなら絶対気に入るはずと3冊の本(西さん著作ではない)をプレゼントしていた。
その行為を聞いていて、心に鳥肌が立った。
本をプレゼントするという行為は、人と何時間も話すより一気にぐっと距離が0に近くなると思う。
その西さんの間合いの詰め方にまず人間としての大きさを感じた。
また、西さんはただ単に自分のおすすめ作品をプレゼントしたのではなく、自分のおすすめ作品の棚から太田さんに読んでほしい・そして絶対気に入ると考え三冊をピックアップしている。
太田さんの書く文章から太田さんの好みを読み取り、絶対の自信を持って薦めている。
その洞察力たるや、これが作家という生き物かと圧倒された。

そしてもう一つ、西さんが本当に楽しそうに本を薦めているのが印象的だった。
西さんは「自分の本棚見てー!」と全面ガラス張りの西加奈子書店を開いたあげく、初めて見つけた太田光書店にも「この本置いた方がいいよー!」と笑顔で突入していく。
なんというバイタリティー
なんという清らかさ。
優秀な作家であり、優秀な書店員であり、優秀な編集者な感じ。


私、真似できません。

自分の本棚を人に見せるって、人前で裸になる感覚に近くないですか?
いや、それ以上にあけっぴろげた感覚かも。
漫画の場合は、人に「この作品好きなんだ」と紹介したりするのはそこまで抵抗がない。
しかし活字作品の場合は「この作品好きなんだ、愛読書です」というのがかなり恥ずかしい。
エロ本が多いからとかではなく、それは自分という人間が一番出ている場所だと思うから。
多分本棚って人間性が一番出る場所だと思う。
並んでいる作品からも、並べ方からも、書店のブックカバーがついているかどうかも、ハードカバー派か小説派かからも、全てから人間性がばれる。
だから結婚する前やお付き合いを始める前は、相手の本棚を見せてもらうといい。
きっとその人の本当の顔が見れるから。

しかし、漫画と活字作品に対するこの恥ずかしさの差はなんなんだろう?