ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

にっぽんの芸能『道行旅路の嫁入』

先日Eテレ・にっぽんの芸能で放送された『道行旅路の嫁入』は仮名手本忠臣蔵の八段目の演目です。
去年の南座での顔見世のときの映像でした。

時蔵梅枝親子が演じる母娘の絆が画面越しに伝わってきました。
やはりリアル親子というのは超強みですね。
スタジオゲストの赤川次郎さんが、時々時蔵さんの目線が母親から父親に変わるとおっしゃっていたのでそこら辺も注目して見ました。
確かに…一瞬だけどそう見えるところもあり、楽しめました。

時蔵さんは戸名瀬〈母〉初めてだったんですね…
ご自分で「もう小浪(娘)じゃないのか」と笑っておられましたが。
戸名瀬も若い頃綺麗だったんだろうな、と想像できる佇まいがとっても素敵でした。
でも調べてみたら、戸名瀬って結構若いんですよね(そりゃ江戸時代の結婚時期考えたら当たり前ですね
本当に品のある容姿で、時蔵さんが立っているだけで空気が凛とします。

梅枝さんは柔らかな空気感で娘役がとっても似合います。
他の人の行列を見てうらやましいという素振、可愛いですね。
戸名瀬を見あげる目線から、信頼感が見てとれました。

歌舞伎の面白みのひとつは、同じ役を違う人が演じたり、年月経っても同じ役を演じたりするところ。
若いときには深みだったり経験だったりが足りずに、演じることが難しい役もあります。
でも逆に若いからこそ、深みだったりは足りないかもしれないけど、その初々しさがぴったりとハマる役もあります。
多分、今回の小浪もそうだと思います。
初々しさって無意識の処女性を引っ張り出してくるんですよね。
若手の女形なんかを見るときに自分が楽しみにしているのが、この処女性なんです。

処女性の対比で面白いと思ったのが、ちょっと前に上演していた玉三郎さんと七之助さんの『二人藤娘』です。
もうあれは、玉三郎さんがやり手のお姉さん、七之助さんが初心な妹にしか見えなかったもん…



あー歌舞伎見に行きたいな。




~どうでもいいメモ~
写真でしか見てないけど、四代目時蔵さんが綺麗すぎる!(こりゃ稀代の女形ですわ
海老蔵菊之助世代、中村屋兄弟世代に続いて、楽しみな世代が続きますね~。