ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

NEWSIES観劇記~ミュージカル俳優・京本大我ここに在り~

ディズニーミュージカル『NEWSIES』を拝見しました。

観劇が趣味ですが8~9割歌舞伎な自分。始まった瞬間の脳みそがミュージカルにチューニングしていく感覚、そしてエンターテインメントをぶん回して客席を飲み込んでいく空気はミュージカル独特のもののような気がします。

咲妃みゆさんがほんとお人形さんでめちゃんこかわいい上にお芝居も歌も巧すぎる!

ニュージーズの皆さんの才能も素晴らしく、また舞台で出会いたいと思える子もいてリストに控えさせていただきました。

 

前置きはそこそこに。

何が語りたいって、京本大我が素晴らしかったってことですよ!!!

贔屓目なしにとてもよかった!!!

 

エリザベート』のルドルフぶりに彼の舞台を拝見しました。

ルドルフを拝見した当時に私が感じたこと↓

 

このツイートだけだと容姿オンリーとも受け取れてしまうのが当時の私の文才のなさだわ。

 

もちろん舞台俳優として美しい容姿=イケメンというのは超大事。

「声良し、顔良し、姿良し」という役者への誉め言葉があるように、「顔良し」も人気トップスターになるための大事な条件の一つです。

京本さんのご両親譲りの透き通ったお肌と中性的なお顔は、ちょっと他には見当たらない希少なビジュアルで、先天的にお持ちの大きな武器だと思います。

 

そしてもう一つ「姿良し」。

この場合の姿はイケメンというより、舞台での立ち姿のことと思います。

ルドルフの時、京本さんは繊細でいまにも折れそうな儚さを持ちながら、決して帝国劇場のスケールに押しつぶされてはいませんでした。

それまで私の中での京本大我像は細いイメージが先行していたので、正直あそこまで大スターたちと帝国劇場に並んで堂々と立てていることに驚きました。

これは多分、元来彼が持つ芸能人の血と、後天的に身に着けたであろう、ジャニーズで培ってきた舞台度胸とミュージカルに対しての壮絶な努力の結果です。

 

ルドルフの時点で彼はトップスターの条件「声良し、顔良し、姿良し」のうち二つは持ち合わせていたように思います。

先天性によるところが大きい顔と姿は、後々頑張って手に入れようと思っても難しい。

歌舞伎の家や宝塚のトップスターと同じように、舞台人の品格とでも言いましょうか。

これは立派な才能です。

しかし品格があっても、そこに技術が伴っていなければ、ただの裸の王様。

品格だけでトップに行けるほど甘い世界でもありません。

 

そこで残るは「声良し」の部分。

 

正直これは結構時間かかるかなぁと思ってました。

京本さんの声ってあまり強く太い感じではなかったので、ルドルフはハマりましたが、今後それ以外の役が来た時のイメージが沸きにくいとも感じました。

それが今回の『ニュージーズ』で一番変わっていた気がします。

素敵な高音はさらに強く低いところもぐんと響いて、芝居の声も太く張りがあって。

そこにはニューヨークの片隅でリーダーとしてニュージーズたちを引っ張るジャックがいました。

エリザベートから時間こそありましたが、エリザベート以来のミュージカルですよ。

それがここまでステップアップされてるとは…。

ごめんなさい、侮ってました。

身体もきちんと作って声も良くなったことによって、益々顔立ちや立ち姿も決まってきていて。

スケールが大きくなっていました。

 

小池先生はここまでの成長を見越していたのでしょうか。

もちろん権利とかうるさいジャニーズの子をエリザベートに抜擢するぐらいですから、ミュージカルの素質は見抜いていたのだとは思いますが。

小池先生が京本大我を見つけてくれた時、ここまでの役者になるって先生は見えていたのでしょうか。

そして先生は今の京本大我を見て、次にどんなステージを踏ませたいと考えていますか。

 

 

『ニュージーズ』を無事に勤め上げることが最優先事項ですし、早くも再演への期待も膨らんでいるのですけれど、京本さんの次のステージに期待せざるを得ません。

 

そこでの一番の壁ってやはり【ジャニーズ事務所】だと思うんですよね。

 

今回、エリザベートでは実現しなかった東宝公式youtubeに京本さんの舞台映像が上がったことは大きな進歩だと思います。

これが京本大我東宝ミュージカル映像解禁スタートなのか、主演舞台だから特別解禁なのかが気になるところです。

これから2番手3番手でも大きな役をつかむチャンスが来た時に、ジャニーズ事務所が〈待て〉を出すことがあれば…と考えると恐怖しかない。

ジャニーズもバカではないので東宝ミュージカル出演ということの大きさはわかっていると思いますが、わかったうえで事務所方針を曲げないのがジャニーズなんだよなぁ…。

本当に「今回限り。ディズニーミュージカルで主演だから特別ね」ってことにはなりませんように。

私はSixTONESのファンだから、この先もずっとジャニーズとして舞台に挑んで欲しいと思っていますが、

ミュージカル俳優・京本大我ファンとしては、必ずしもジャニーズに所属しながらミュージカルに挑戦していくことが正しいと言えないのが辛いところ。

京本さんに限った話ではありませんが、年齢とか活動歴に関係なく、ここぞという時には事務所が英断してくれることを祈ります。

 

大きな事務所問題はありますが、

京本さんの所属がSixTONESだということはとてもプラスだと思います。

メンバーも公言している通り、SixTONESは個々の活動のフィールドがしっかりしていて、磨かれた個人の集合体=アベンジャーズSixTONESみたいなグループです。

そんなスタンスだからこそ、比較的他のグループより京本さんがミュージカルに集中しやすい環境なのではないでしょうか。

どうしてもミュージカルだと稽古含めて長丁場ですし、外部舞台だと猶更ジャニーズのカレンダーとは違いますからね。

乃木坂の生田さんなんかは大所帯という強みも活かしつつ、どんなスケジュールだよってぐらい精力的にステージに立たれていますよね。

SixTONESは乃木坂に比べたら6人しかいませんが、以前CDTVで舞台公演中のジェシーさんのパートを京本さんがフォローしたこともありました。

そんな感じで何かあっても、ナチュラルにフォローしあえる技術を持ったグループだと思います。

SixTONESに京本さんがいてくれてよかったと今まで何度も思ってきましたが、

『ニュージーズ』観劇後はさらに、京本さんがSixTONESでよかったと心から思いました。

 

最後に、

これからが本当に本当に本当に楽しみなミュージカル界のニュースターになり得る逸材になりました。

自らの力のせいでチャンスを逃すのならしょうがないけど、

チャンスが来た時に環境によってあきらめなければいけない…ということだけは絶対に避けてほしいし、避けなければいけない。

ジャニーズにとっても、ミュージカル界にとっても「逃した魚は大きいぞ」ってことにはなりませんように。

本音を言えば、なにか舞台の賞レースで奨励賞でもいいので受賞してもらって、ミュージカル界から逃れられないよう外堀から埋めていってもらいたいぐらいですよ。