ひのきのぼうの沼日記

そう、人生は沼だらけ

滝沢歌舞伎ZEROの女形の二人~ガラスの仮面的絶妙なライバル関係~

Snow Man主演の滝沢歌舞伎ZERO2021生配信を見ました。

運よく4月に新橋演舞場で見れてはいたのですが、角度的に目で追えなかった部分が配信ならではのカメラワークで見れたり、すべてのキャストに見どころ満載で素晴らしかったです。

2019年のZERO初演から拝見しておりますが、大歌舞伎好きとしてずーっと楽しみにしている部分はやはり『歌舞伎パート』。

彼らは歌舞伎役者ではないし、多忙ゆえに稽古にだって多くの時間がさけるわけではないでしょう。

それでも真摯に歌舞伎に向き合ってくれているのを見ると、関係者でも何でもないですがただの歌舞伎好きとして嬉しい限りです。

 

そう。

私はただの歌舞伎好きです。

なんの心得もございませんただの歌舞伎好きです。

 

そんなただの歌舞伎好きが、2019年から2021年まで見てとても語りたくなったのが『男と女の舞』。

佐久間くんと阿部くんの女方について語りたい!

…そして阿部くんに詫びたい!

そんな一心で久々にブログを書きます。

 

 

 

滝沢歌舞伎ZERO2019

まず初めに、私が初めて『滝沢歌舞伎ZERO2019』を見た当時の感想を見ていただければわかるように、私は佐久間くんの女方を高く評価しております。

 

cjy-hinokinobo.hatenablog.com

 

多分、佐久間くんはダンスの類に関しては天才でしょう。

本気で日本舞踊に挑戦したら絶対に良いもの見せてくれると思うんだけどな~と、彼の踊りを見るたびに思います。

女方の所作も短期間の稽古で身に着けたとは思えないクオリティです。

小柄でお顔も愛らしい作りなので、あんみつ姫っぽくてかわいい。

女方に抜擢されるのは納得でした。

 

対して阿部くんの女方は美人さん。

しかし2019年のブログを見ていただければお分かりの通り、私はほとんど阿部くんの女方について言及しておりません。

それは比較対象の佐久間くんと比べると、まだ”様”になっていないように感じたから。

もちろん骨格や背丈の関係で肩を落としたり中腰で踊ったり難しい部分もあるでしょう。

しかし目線や着物の扱いから、彼自身にまだ自信がないのかなという空気を感じていました。

勝ち負けではないですが、2019年の時点では大きく佐久間くんに分があるように見えたのが正直なところです。

 

 

滝沢歌舞伎ZERO2020 THE MOVIE

しかし2020年の『滝沢歌舞伎ZERO2020 THE MOVIE』でおやっ?と。

阿部くん、上手くなった…?

私は技術的な部分はわからないので上手くなったのかはわかりませんが、傍から見ていて確実に”様”になっていたので驚きました。

ひとつ大きな要因としては目黒蓮効果があると思います。

2019年の『桜の舞』では女二人に対して男が渡辺さん一人でしたから。

(っていうか今2019年の映像見直したら、渡辺さん踊り上手いな!)

目黒くんという相手役が出来たことで明確に自分の形を作りやすくなったのではないでしょうか。

身長的にも高身長コンビで踊りやすくなったんじゃないかなと思います。

もう一つの伸びた要因は、阿部くんの中で1年かけて確実に女方を咀嚼できたってことなのかなと。

2019年女方にチャレンジし立役での参加でしたがABKAIにも参加し、阿部くんの中で吸収したものが成果として出たような気がしました。

ダンスに関して佐久間くんが天才タイプだとすると、阿部くんは秀才タイプ。

佐久間くんと比べたら時間はかかりましたが、結果として咲いた花が美しかったので文句なしです。

 

そんな阿部くんが急激に伸びた2020年。

佐久間くんは相変わらず美しい所作で踊っておりましたが、かすかに2019年とは違う空気を感じました。

どことなく凛々しくなった?

2019年に比べるとおしとやか成分がほんの少し減り、ちょっとだけ気の強いお姫様になった感じがしました。

阿部くんの女方に柔らかさが増したので、相対的に見てそう感じただけかもしれないですが…

舞台と映像作品ではまた勝手が違うのかもしれないしね。

 

 

滝沢歌舞伎ZERO2021(4月)

年が変わり2021年4月『滝沢歌舞伎ZERO2021』を拝見。

目黒君を相手に迎えた阿部くんが纏う空気は柔らかく、やはり何か掴んだのだなぁと感じました。

2019年ただの歌舞伎ファンのくせに、勝手に評価して勝手に心配して本当に申し訳ございませんでした!

心の底からお詫びをさせていただきます。

一方私の目の届く範囲ですが、やはり佐久間くん凛々しく、直球に言うと空気が男っぽくなってる!

(最近、佐久間くん自身雑誌でそのような指摘があったと語っていたので、私が感じた空気は間違っていなかったと感じました)

慣れから来ているのか、阿部くんへのライバル心から来ているのか、なにが原因かわかりませんが、ちょっとしたズレだとは思うんです。

それでも私の中では「天才佐久間くんスランプか!」と驚きました。

 

 

滝沢歌舞伎ZERO2021生配信

そして本日5月9日『滝沢歌舞伎ZERO2021生配信』。

佐久間くん。

修正してました。

美しくかわいらしい女方でした。

(漫画的な展開だと天才ってこういう修正するのに時間かかるもんじゃないの!?こういうところが天才の所以なのか?)

 

 

未来へ…

2019年からの二人の歩みを見ていると、正反対のタイプを同じ演目で女方として配した理由がわかる気がします。

たとえば佐久間さん一人だったらもっと早い段階で慣れが出てきていたでしょう。

そして越えなければならない壁を乗り越えるにももっと時間を要したかもしれません。

阿部くんのような秀才タイプは小さな波はあっても、大きく崩れることはないと思います。

もしかしたら佐久間くんのような天才タイプがふたりで女方を務めていたら、こんなにキレイな切磋琢磨にはなっていなかったかもしれないし。

そういう部分もおそらく阿部くんが抜擢された要因の一つだと思います。

正反対の二人だからこそ、目指す場所は一緒でもそれぞれ違うアプローチで女方を深めることが出来ているのではないでしょうか。

さながらガラスの仮面北島マヤ姫川亜弓のようです。

 

以前雑誌で佐久間くんが櫓お七をやりたいと言っていたのを拝見しました。

もしいつかそんな日が来たら、

個人的にはAプロ・Bプロで分けて、佐久間くんと阿部くん両方にチャレンジしてみてほしい。

競わせるって意味でも。それこそ紅天女オーディションのように。

阿部くんがここまで急激に伸びたのがうれしすぎたので、今後ともこの二人に関してはいいライバル関係でいてほしいなぁと思います。

もし演目が分かれるとしても、女方は続けてくれたら嬉しいです。